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データサイエンス教育の現場から ─
名古屋商科大学 教員インタビュー

データサイエンス教育とケースメソッドでの学び

名古屋商科大学では、全学部の学生が数理・データサイエンス・AIを「理解し、使い、判断する」ための基礎力を身につけられるよう、 データサイエンス教育プログラムを整備しています。2023年度入学者以降は「情報リテラシー1」「情報リテラシー2」の2科目(計4単位)で 修了できるように要件を改善し、より多くの学生が学びを修了しやすい設計になっています。
※サイト掲載情報より

また、ケースメソッドを中核にした参加者中心型の授業が、大きな学びの特徴です。 正解のない問いをもとに議論し、納得解へ到達するプロセスを重視するため、知識の暗記だけでなく、 判断力・表現力・合意形成の力が鍛えられます。データを扱う授業においても、「何のデータを集めるべきか」「そのデータは妥当か」 「どう説明すれば相手に伝わるか」といった、実務に近い思考が自然に求められます。

採用書籍:『データサイエンスリテラシー』について

名古屋商科大学では、情報リテラシー科目における基礎づくりの教材として、『データサイエンスリテラシー』を採用いただいています。 本学では入学生全員に配布し、授業内外で参照できる共通言語として活用されています。

本書の特徴

  • モデルカリキュラム準拠:数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)で求められる基礎を、体系的に学べる構成。
  • 実例から入れる:社会でのデータ活用・AI活用事例から導入でき、初学者でも学習の敷居が下がる。
  • 体験型の章立て:可視化、テキストマイニング、ディープラーニングなど、手を動かす入口が用意されている。
  • オープンデータの扱い:「集める/選ぶ/整える」前段階を学びやすく、ケースメソッドの問いにも接続しやすい。
  • 生成AIに触れる導線:生成AI(ChatGPT等)に関する記述や脚注が丁寧で、予習・復習の参照先として使いやすい。

授業現場の声 ─ 教員インタビュー

「データサイエンスを、“ケースで使えるリテラシー”にする」

名古屋商科大学 国際学部 教授

山本 裕子 先生 / 廣島 勉 先生

Q1. 採用の経緯を教えてください。

学内でデータサイエンス教育に取り組む流れが強まり、教材を各社比較したうえで採用に至りました。 本学はデータサイエンス教育プログラム(リテラシーレベル)を整備しており、全学生が基礎として学ぶ科目の中で、 初学者でも学び始められること、そして学内で共通して使える基礎テキストであることが重要でした。 その点で『データサイエンスリテラシー』は、説明が丁寧で参照しやすく、学習の敷居を下げてくれる教材だと感じています。

Q2. 大学ではどのように活用されていますか?

情報リテラシー科目では、Office(Excel/Word等)の基礎的な操作方法を学びます。 そのうえでデータサイエンスの入り口として、本書を参照しながら、データの見方・扱い方、 そして「問いに対して、どんなデータを集めればよいか」を考えるトレーニングを進めています。 授業は100分×2コマのようにまとまった時間で演習を入れており、学生が手を動かして理解する流れを作りやすいです。

Q3. 多くの教材がある中で、この書籍を選ばれた理由は何ですか?

オープンデータなど、現実のデータへ自然に接続できる点が大きいです。 例えば「地域の課題」や「社会的に議論の分かれるテーマ」を扱う際に、どのデータを集めるか、 そのデータは適切か、見せ方で印象がどう変わるか――そうした観点はケースメソッドとも相性が良いです。 また、生成AIの話題が入っていることや、脚注・参照先が丁寧なことも授業運営上助かります。 毎回、講義の前に予習の指示を出しますが、学生が自学自習しやすい構成になっています。

Q4. ケースメソッドとの相性はいかがですか?

データサイエンスの基礎科目では、いきなり高度な数理モデルを扱うのではなく、 「主人公を設定したケース」や「身近な社会課題」を使うことが重要です。 「名古屋市は住みやすいのか」 「北陸新幹線は本当に必要だったのか」 こうしたテーマを設定し、どのデータを集め、 どの指標を見るべきかを学生自身に考えさせます。 本書は、その前段階となるリテラシー部分をしっかり支えてくれています。

Q5. 印象に残っている活用例はありますか?

テキストマイニングの章は特に使いやすいですね。 青空文庫の作品やSNSデータを使った分析は、学生の関心も高く、 グループで作業させると非常に盛り上がります。 一方で、ディープラーニングなどは初学者には難しい面もあります。 そのため、「知っていること」「触れたことがある」というレベル感で 扱うようにしています。

まとめ

名古屋商科大学のデータサイエンス教育は、プログラムとしての体系性に加え、ケースメソッドという学習文化の中で 「データを使って考え、説明し、合意形成する」力へ接続していく点が大きな特徴です。 『データサイエンスリテラシー』は、その入口で学生が迷子にならないための地図として活用され、 情報リテラシー(Officeスキル)とデータサイエンスをつなぐ基礎教材として位置づけられています。